有機JAS法の認定業者
 ノヴァがベーカリーを始めた頃(1985)は、「無農薬・低農薬」の農産物や「無添加」の加工食品を販売する自然食品店が少しずつ増え始め、共同購入や生活協同組合・産地直送などの方法で生産者と消費者グループが直接販売を始めた時期と重なっています。
 この時「無農薬・低農薬」に対する基準は生産者グループや消費者グループが独自に決めていました。
 また「有機栽培」に対する考え方も色々あり、自然の循環(生き物は土に帰り土から生まれる・土の中の微生物→植物→草食動物→肉食動物→土)を大切にする生き方や暮らし方が「有機的な都市生活」として話題になったり、人や農業や農産物が媒体となって村や街が有機的に繋がり交流する関係を創造したり、農薬や化学肥料に依存する以前の農業生産方法の研究や、農薬や化学肥料によって疲れてしまった畑の土を癒す微生物や発酵菌の研究が始まっていた。
 ノヴァは有機JAS法制定まで、外国認定機関の認定有機ドライフルーツ、ナッツなど、地球環境に負荷を掛けない=人の体にも安全な食品を輸入し、製パン原料として使用、販売してきました。

 2000年6月に有機農産物や有機農産物加工品の表示に関する法律「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(改正JAS法)が施行されたので、認定取得に向けて2000年夏から製造業務の見直を始めました。
 設備の点検改装、製造記録や衛生管理記録を更新し、品質管理規定を作りました。原料→製造→保管→販売に関わる数量管理のシステムを作り製造番号による製品管理も始めました。
 2001年に認定製造業者となる申請を行い、ノヴァは農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律に基づいて、有機農産物加工食品についての製造業者として認定されました。
 また日本国内で「有機農産物」を販売するために、仕事の仕組みや保管施設の見直しを行い法律に従った輸入業者になる準備を整え、2002年には農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律に基づいて、有機農産物及び有機農産物加工食品についての輸入業者として認定されました。
2008年には認定内容について見直しが行われ、ノヴァの認定は製造業者から小分け業者への変更となりました。
 ノヴァの認定は、農林水産省の登録認定機関日本認証サービス(株)の審査を受け取得したものです。

  ●2008.2.26 小分け業者JAS有機認定取得:認定番号 HWJP1561
  ●2002.3.27 輸入業者JAS有機認定取得:認定番号 HIJP1203-01

 この認定により有機JASマークを製品に表示して販売することが可能となりました。

 有機JAS法の認定を取得した海外製造業者の加工品や外国政府の認定によりノヴァがJAS表示を行った原料を使用して袋詰加工を行い、有機JASマークを表示しています。またノヴァでは天然酵母を使ったパン屋さんへ原料の出荷をしています。原料は大部分が海外からの輸入品で、輸入原料にも有機農産物及び有機農産物加工食品の輸入業者として有機JASマークを表示しています。

有機JAS法について

海外では1972年に「国際有機農業運動連盟-IFOAM(International Federation of Organic Agriculture Movement)」という非営利団体が設立され「Organic Agriculture」(日本語訳=有機農業)の国際的な基準を作って地球環境に負担をかけない農業方法を提案し、IFOAM基準を採用する認定団体が農産物や加工食品の認定を始めました。
 ノヴァが初めてレーズンを輸入する1987年当時、アメリカではIFOAM基準の認定作業が始まり有機栽培認定の農産物や加工食品が製品化されていました。
 農林水産省は2000年6月有機農産物や加工品の表示に関する法律「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(改正JAS法)を施行し、2001年4月から表示規制がはじまりました。
 現在、国連機関のFAOとWHOの合同組織としてCODEX委員会が設置されている。CODEX委員会は食品全般の表示に関する統一基準の準備を行い、有機栽培の基準や、残留農薬や添加物などの表示方法、使用規定を策定しています。IFOAMはこの委員会に参加して「有機栽培国際標準」の内容を検討しています。
 2005年には有機JAS法が改定され認定機関の業務が見直されています。また2010年にも有機JAS法の見直しが行われます。5年毎に実情を反映した法律として運用されています。